「明日生まれる卵はいくつ?」
2007.12.01 Saturday 18:33
「ローリング・フォーキャスト」という言葉を耳にしたので図書館で借りてみたのがこの本.アメリカの牧場を舞台にした物語形式でわかりやすく事業環境の変化を受け入れながら進める方法についてかかれている.
最後の方の解説で「システム開発において,最初に完全な物を作ろうとせず,とりあえず7割で使い始めて軌道修正していく」とあるのが「アジャイルプログラミング」に合致しており,近年アジャイルが注目されていることにも納得がいった.
最後の方の解説で「システム開発において,最初に完全な物を作ろうとせず,とりあえず7割で使い始めて軌道修正していく」とあるのが「アジャイルプログラミング」に合致しており,近年アジャイルが注目されていることにも納得がいった.
Amazonで見ると古本がずらっと並んでいる.非常にわかりやすい反面,内容が薄いとみなされて古本が出回りやすいのかも.古本屋で見つけたら買ってもよい一品かも.
(以下内容メモ)
主人公は牧場を経営しているスコット.乳牛と肉牛のを育てているが牛だけを育てている現状に不安を感じている.
STORY 1では知人の紹介でやってきた研究生が次のようなことを言う.
1. 3年先の「あるべき姿」をイメージ(定義)し
2. 現状とのギャップを埋めるために
3. 必要な物(資源,スキルなど)を依存関係を含めて書き出して
4. 実行計画を立てる
(筆者はこれこそが日本企業の成長支えてきた手法と説く.)
STORY 2では中古車屋を経営しているおじさんにこの話をするが,次のような忠告を受ける.
* 3年後に向けてこつこつ進めても,3年後にはその計画は時代遅れになっている.今必要とされている物を3年後に提供してもブームは過ぎ去っているかもしれない.
* いきなり新しい物に突っ走るのではなく少しずつ初めて,世の中がどちらに転んでも倒れないようにすることが重要.
* 相談したといっても,本当に選択肢は与えられているのか.一つの案だけ持ってきてGo or No Goと言われても決められるはずがない.
* ビジネスは先の見えないレース.カーブで崖から落ちないようにブレーキが必要だ.直線でもブレーキが間に合わなくならないようスピードメータを時々見る.
* あらかじめ分かれ道がありそうなところを調べておき,条件によってどちらに進むかも計画に入れておく.
* 計画にとらわれて判断を誤ってはいけない.
STORY 3ではスコットのお母さんが出てきて父親の話をする.
スコットは多角化の1つとして養豚を考えている.実はスコットの周囲には養豚農家が多数ある中でスコットの父親は牛を選択したのだった.そのわけは,
1a. 父親は元々牛を育てた経験があった
1b. いくら養豚業者が多くても,新参者の父親に無料で一から教えてくれる人はいない.
2. そこで,まずは牛でがんばって周囲から認められるようになることが必要だ.
3. そうすれば,いざというときにはいつでも養豚に転向できる.
STORY 4ではスコットの親友で大学教授をしているポールが家にやってきて,いよいよ「ローリング・フォーキャスト」の話に.
まず「ビジョン」と「あるべき姿」は違う.
* ビジョン=変わらない物
* あるべき姿=現時点での戦略が実現された姿
戦略が変われば「あるべき姿」も変わる.
そこで,
1. 長期計画を立て,おおよそのリソース等を見積もる
2. 3ヶ月後のゴールを設定する
3. 3ヶ月後に取るべき選択肢を3つ以上用意する
これまでは時間をかけて根回しをして,慎重に意志決定をしており,承認さえ降りればGOALと思いがちだった.見直しを前提とした方法では最初の意志決定には大きなリスクはない.また成果を出し続けないとプロジェクトが存続できない.
(以下内容メモ)
主人公は牧場を経営しているスコット.乳牛と肉牛のを育てているが牛だけを育てている現状に不安を感じている.
STORY 1では知人の紹介でやってきた研究生が次のようなことを言う.
1. 3年先の「あるべき姿」をイメージ(定義)し
2. 現状とのギャップを埋めるために
3. 必要な物(資源,スキルなど)を依存関係を含めて書き出して
4. 実行計画を立てる
(筆者はこれこそが日本企業の成長支えてきた手法と説く.)
STORY 2では中古車屋を経営しているおじさんにこの話をするが,次のような忠告を受ける.
* 3年後に向けてこつこつ進めても,3年後にはその計画は時代遅れになっている.今必要とされている物を3年後に提供してもブームは過ぎ去っているかもしれない.
* いきなり新しい物に突っ走るのではなく少しずつ初めて,世の中がどちらに転んでも倒れないようにすることが重要.
* 相談したといっても,本当に選択肢は与えられているのか.一つの案だけ持ってきてGo or No Goと言われても決められるはずがない.
* ビジネスは先の見えないレース.カーブで崖から落ちないようにブレーキが必要だ.直線でもブレーキが間に合わなくならないようスピードメータを時々見る.
* あらかじめ分かれ道がありそうなところを調べておき,条件によってどちらに進むかも計画に入れておく.
* 計画にとらわれて判断を誤ってはいけない.
STORY 3ではスコットのお母さんが出てきて父親の話をする.
スコットは多角化の1つとして養豚を考えている.実はスコットの周囲には養豚農家が多数ある中でスコットの父親は牛を選択したのだった.そのわけは,
1a. 父親は元々牛を育てた経験があった
1b. いくら養豚業者が多くても,新参者の父親に無料で一から教えてくれる人はいない.
2. そこで,まずは牛でがんばって周囲から認められるようになることが必要だ.
3. そうすれば,いざというときにはいつでも養豚に転向できる.
STORY 4ではスコットの親友で大学教授をしているポールが家にやってきて,いよいよ「ローリング・フォーキャスト」の話に.
まず「ビジョン」と「あるべき姿」は違う.
* ビジョン=変わらない物
* あるべき姿=現時点での戦略が実現された姿
戦略が変われば「あるべき姿」も変わる.
そこで,
1. 長期計画を立て,おおよそのリソース等を見積もる
2. 3ヶ月後のゴールを設定する
3. 3ヶ月後に取るべき選択肢を3つ以上用意する
これまでは時間をかけて根回しをして,慎重に意志決定をしており,承認さえ降りればGOALと思いがちだった.見直しを前提とした方法では最初の意志決定には大きなリスクはない.また成果を出し続けないとプロジェクトが存続できない.
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