「企画力」
2008.07.09 Wednesday 21:45
『企画力~「共感の物語」を伝える技術と心得』を図書館で見つけて読んだ.「企画書」とは何か,どうあるべきかについて語った本.筆者が「あるべき」という企画書同様に本書も次々とページをめくりたくなるテンポの良さが良い.企画とは縁のない人でもきっと面白く読める本である.
書評はAmazonに色々書かれているので,以下は自分用備忘録に留める.
まず,「企画力」と「実行力」は表裏一体.採用されない企画も紙くずだが,実行されない企画も紙くずである.そして「企画」そのものを売り込むと同時に,「自分」という人間も一緒に売り込むものである.
この先を見る前に心しておくこと.「知識を学ぶのと知恵をつかむのは違う」.だからプロの技術を言葉で聞いても同じようにできる訳ではない.そこを勘違いしてはならない.
書評はAmazonに色々書かれているので,以下は自分用備忘録に留める.
まず,「企画力」と「実行力」は表裏一体.採用されない企画も紙くずだが,実行されない企画も紙くずである.そして「企画」そのものを売り込むと同時に,「自分」という人間も一緒に売り込むものである.
この先を見る前に心しておくこと.「知識を学ぶのと知恵をつかむのは違う」.だからプロの技術を言葉で聞いても同じようにできる訳ではない.そこを勘違いしてはならない.
「企画」は「計画」ではない.詳細を緻密に組み立てるのではなく,企みを面白く語ることが重要.言い換えれば「何を行うか」ではなく「なぜ行うか」を語るべし.しかし実際に「企みを面白く語る」のは難しい.夢と現実のバランスが必要だからだ.現実に立脚して夢にいかに近づくかを語らなくてはならない.
まず表紙,すなわちタイトルが重要.見た瞬間,ページをめくりたくなるタイトルをつける.すべてを表す短く力強く,そして信念と情熱の伝わるタイトルで興味を引く.
表紙の次は「ビジョン」を書く.これから起こる大きな流れを動的に語る.
その次は表紙の「企み」を「構造化された目標」(3つ)として語る.
次では「目標」を「戦略」に翻訳する.
その後は,戦略から戦術,戦術から行動計画へとブレークダウンする.
とはいえ,見た人の心理まで読むのは難しい.そこでまず想像でも良いから「仮説」を定める.それによって迷いが無くなり,一貫性のある企画書ができる.もし「仮説」が相手の想定と異なっていたとしても,その企画書そのものの持つ重みは「人間」に対する信頼となる.
企画書は説明資料ではない.企画を説明する人に関わらず企画書それ自体が説得力を持たなくてはならない.なぜならば,企画が実行されるまでには多くの人の理解が必要.自分が口頭でうまく企画を説明できても,次に話を聞いた人が自分の上司にその資料で掛け合うことになる.単なる説明資料では,そこで企みを伝えることができず,組織を動かすことはできない.
汗をかいていない企画書はすぐわかる.その最たる物が「誤字脱字」.全然見直してないことを自白しているようなもの.
最初に企画に賛同してくれた担当者は,その後組織を説得する同志となる.その先を説得するために「同志」と共に「想定質問」について考え,より打たれ強い企画書へと進化させる.また「社内戦略」についても提案することが効果的.これは社内の「協調戦略」(決して競争ではない).無用な戦いを略(はぶ)くためのもの.相手の内部のことなので的外れになるかもしれないが,余計なお世話と思われることはない.また,これにより自分たちのことを考えてくれていると印象づけることができる.
読みやすい企画書のスタイルとして「自問自答」が挙げられる.これによって読み手の「思考の流れ」を導くことができる.回答の前に「問題提起」を置くことで,読み手の問題式を喚起する役割も担う.そして流れを作るために,枝葉末節を切り捨てて各所で伝える内容を3つに絞る.
個人技に頼らないために,企画書それ自体の説得力は重要だが,逆に説得力のある企画書を用いてグループで模擬プレゼンを行うことで個人のスキルを高める使い方もできる.
企画のプレゼンに当たっては見せ方にも留意する必要がある.プレゼンの前に資料を渡してしまい,相手が先に資料にぱらぱらと目を通すのは最悪.プレゼン開始時に初めて資料を渡すのは基本中の基本.プレゼンが始まってからも,説明に先走って資料をめくられると気が分散して効果が低下する.それを防ぐためには聞き手の思考の流れ,心の動きを感じ取ってプレゼンと同期させることが必要である.
そしてプレゼンが終わって企画書が閉じられた瞬間,「もっと話が聞きたい」と思われるかどうか.それが勝負.企画書は企画の「エッセンス」であって,企画そのものではない.企画の実体は人間の中にある.「この人からもっと話を聞きたい,知恵を借りたい,力を借りたい」と思われるかどうかが勝負.
まず表紙,すなわちタイトルが重要.見た瞬間,ページをめくりたくなるタイトルをつける.すべてを表す短く力強く,そして信念と情熱の伝わるタイトルで興味を引く.
表紙の次は「ビジョン」を書く.これから起こる大きな流れを動的に語る.
その次は表紙の「企み」を「構造化された目標」(3つ)として語る.
次では「目標」を「戦略」に翻訳する.
その後は,戦略から戦術,戦術から行動計画へとブレークダウンする.
とはいえ,見た人の心理まで読むのは難しい.そこでまず想像でも良いから「仮説」を定める.それによって迷いが無くなり,一貫性のある企画書ができる.もし「仮説」が相手の想定と異なっていたとしても,その企画書そのものの持つ重みは「人間」に対する信頼となる.
企画書は説明資料ではない.企画を説明する人に関わらず企画書それ自体が説得力を持たなくてはならない.なぜならば,企画が実行されるまでには多くの人の理解が必要.自分が口頭でうまく企画を説明できても,次に話を聞いた人が自分の上司にその資料で掛け合うことになる.単なる説明資料では,そこで企みを伝えることができず,組織を動かすことはできない.
汗をかいていない企画書はすぐわかる.その最たる物が「誤字脱字」.全然見直してないことを自白しているようなもの.
最初に企画に賛同してくれた担当者は,その後組織を説得する同志となる.その先を説得するために「同志」と共に「想定質問」について考え,より打たれ強い企画書へと進化させる.また「社内戦略」についても提案することが効果的.これは社内の「協調戦略」(決して競争ではない).無用な戦いを略(はぶ)くためのもの.相手の内部のことなので的外れになるかもしれないが,余計なお世話と思われることはない.また,これにより自分たちのことを考えてくれていると印象づけることができる.
読みやすい企画書のスタイルとして「自問自答」が挙げられる.これによって読み手の「思考の流れ」を導くことができる.回答の前に「問題提起」を置くことで,読み手の問題式を喚起する役割も担う.そして流れを作るために,枝葉末節を切り捨てて各所で伝える内容を3つに絞る.
個人技に頼らないために,企画書それ自体の説得力は重要だが,逆に説得力のある企画書を用いてグループで模擬プレゼンを行うことで個人のスキルを高める使い方もできる.
企画のプレゼンに当たっては見せ方にも留意する必要がある.プレゼンの前に資料を渡してしまい,相手が先に資料にぱらぱらと目を通すのは最悪.プレゼン開始時に初めて資料を渡すのは基本中の基本.プレゼンが始まってからも,説明に先走って資料をめくられると気が分散して効果が低下する.それを防ぐためには聞き手の思考の流れ,心の動きを感じ取ってプレゼンと同期させることが必要である.
そしてプレゼンが終わって企画書が閉じられた瞬間,「もっと話が聞きたい」と思われるかどうか.それが勝負.企画書は企画の「エッセンス」であって,企画そのものではない.企画の実体は人間の中にある.「この人からもっと話を聞きたい,知恵を借りたい,力を借りたい」と思われるかどうかが勝負.
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