リンゴのカタストロフィ
2006.07.29 Saturday 13:06
久々に30度を超える暑い夏が帰ってきた今日.
朝起きて彼(彼女)に目をやると
そこにいたのはやせ衰えるだけの彼(彼女)ではなかった.
体中がむくんで痛々しく,体液がにじみ出ているのがわかった.
「死期が近い」.
そう悟らせるのに十分な変化だった.
だが,それと同時に二つのすさまじい最期が脳裏をよぎった.
それは自分の身に危険を感じさせるのに十分だった.
質量の大きな星は自重で沈み込んだ後,
破裂して超新星となり,その断片が宇宙を漂う
そんなことを彼(彼女)が望んでいるのではないかと不安になった.
もう一つは伝え聞いた鶏卵のすさまじい最期.
今日と同じような夏の暑い日.
身を守る術を持たないその鶏卵は外敵の進入を許した.
そして,そこで増殖した「奴ら」は殻を破り人間の住空間の侵略をも試みた.
その壮絶な闘いで住人も大きな痛手を負った.
そんな風に彼(彼女)が既に自身を失っているのではないかとも感じた.
彼(彼女)も醜くなった自身の姿を晒し続けたくは無いだろうと
彼(彼女)との別れを決意した.
決死の覚悟で彼(彼女)の移動を試みる.
幸いにしてむくんで皺が伸びてはいるものの,外傷はない.
彼(彼女)にクッキングペーパーとビニール袋の覆いを掛け
鎮座している台座ごと外へ運び出す.
彼(彼女)に触れないように注意しながら覆いへ移し,
傷ついた彼(彼女)に謝りながもコンビニのゴミ箱へ葬った.
彼(彼女)がいなくなった台所では変わることなく時が過ぎてゆく.
台座に記された跡だけが彼(彼女)がかつてそこにいたことを物語る.
朝起きて彼(彼女)に目をやると
そこにいたのはやせ衰えるだけの彼(彼女)ではなかった.
体中がむくんで痛々しく,体液がにじみ出ているのがわかった.
「死期が近い」.
そう悟らせるのに十分な変化だった.
だが,それと同時に二つのすさまじい最期が脳裏をよぎった.
それは自分の身に危険を感じさせるのに十分だった.
質量の大きな星は自重で沈み込んだ後,
破裂して超新星となり,その断片が宇宙を漂う
そんなことを彼(彼女)が望んでいるのではないかと不安になった.
もう一つは伝え聞いた鶏卵のすさまじい最期.
今日と同じような夏の暑い日.
身を守る術を持たないその鶏卵は外敵の進入を許した.
そして,そこで増殖した「奴ら」は殻を破り人間の住空間の侵略をも試みた.
その壮絶な闘いで住人も大きな痛手を負った.
そんな風に彼(彼女)が既に自身を失っているのではないかとも感じた.
彼(彼女)も醜くなった自身の姿を晒し続けたくは無いだろうと
彼(彼女)との別れを決意した.
決死の覚悟で彼(彼女)の移動を試みる.
幸いにしてむくんで皺が伸びてはいるものの,外傷はない.
彼(彼女)にクッキングペーパーとビニール袋の覆いを掛け
鎮座している台座ごと外へ運び出す.
彼(彼女)に触れないように注意しながら覆いへ移し,
傷ついた彼(彼女)に謝りながもコンビニのゴミ箱へ葬った.
彼(彼女)がいなくなった台所では変わることなく時が過ぎてゆく.
台座に記された跡だけが彼(彼女)がかつてそこにいたことを物語る.
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