第9回 市民が読む太宰治作品朗読会
2008.06.08 Sunday 22:51
市民が読む「太宰治作品朗読会」で太宰作品5作品の朗読を聞いた.太宰治の作品にはほとんど触れたことが無かったが,実際に聴いてみると細やかな状況描写,独白体と,若者の視点など(何も知らない自分にとっては)新たな発見があった.
いずれの作品も20~30代の若い視点で書かれており,いかにも若者の支持を得そうなもの.にもかかわらず,「太宰・命(はあと)」という感じで朗読を聴きに来ている人々は60~70代.このギャップにはびっくり.
本日の朗読作品は 『待つ』『尼(「陰火」の1つとして収録)』『燈籠』『葉桜と魔笛』『桜桃』 (リンク先はいずれも青空文庫)
[青空文庫ゲートウェイを使って本日の作品を読む]
『待つ』 『陰火(尼は4作品目)』 『燈籠』 『葉桜と魔笛』 『桜桃』
いずれの作品も20~30代の若い視点で書かれており,いかにも若者の支持を得そうなもの.にもかかわらず,「太宰・命(はあと)」という感じで朗読を聴きに来ている人々は60~70代.このギャップにはびっくり.
本日の朗読作品は 『待つ』『尼(「陰火」の1つとして収録)』『燈籠』『葉桜と魔笛』『桜桃』 (リンク先はいずれも青空文庫)
[青空文庫ゲートウェイを使って本日の作品を読む]
『待つ』 『陰火(尼は4作品目)』 『燈籠』 『葉桜と魔笛』 『桜桃』
前半3本は比較的短い作品だったが,後半は1作品が長く集中力を保つのにやや必死だった.
最初の作品「待つ」は『省線の~』で始まる.自分には省線=国電=JRと知っているが,知らない人にはいきなり意味不明な出だしに思えるだろう.
次の「尼」では『尼』の容姿を順に細かく描写していくところがあたかも視線が動いているように感じられて新鮮であった.
終わりの方で寝ている尼が笑った顔を
太宰治は1948年に39歳で逝去している.死後50年を経過した今では青空文庫で楽しむことができるが,もしも太宰が天寿を全うして,たとえば75歳くらいまで生きたとすると世を去るのは1984年.著作権が切れる50年が経過するのは2034年.
早く死んでくれたから今誰もが太宰作品を楽しめる...と言ったらファンに殺されるな.
最初の作品「待つ」は『省線の~』で始まる.自分には省線=国電=JRと知っているが,知らない人にはいきなり意味不明な出だしに思えるだろう.
次の「尼」では『尼』の容姿を順に細かく描写していくところがあたかも視線が動いているように感じられて新鮮であった.
終わりの方で寝ている尼が笑った顔を
恍惚の笑ひのやうでもあるし、侮蔑の笑ひのやうでもあるし、無心の笑ひのやうでもあるし、役者の笑ひのやうでもあるし、諂ひの笑ひのやうでもあるし、喜悦の笑ひのやうでもあるし、泣き笑ひのやうでもあつた。と書いているところでは,『笑い』顔の意味するところがこんなにもあるのかとびっくりした.
太宰治は1948年に39歳で逝去している.死後50年を経過した今では青空文庫で楽しむことができるが,もしも太宰が天寿を全うして,たとえば75歳くらいまで生きたとすると世を去るのは1984年.著作権が切れる50年が経過するのは2034年.
早く死んでくれたから今誰もが太宰作品を楽しめる...と言ったらファンに殺されるな.
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