死海&マサダ
2008.10.05 Sunday 23:30
dead sea ... .浮いているのは,人・人・そして人...(笑)
死海で浮く話はよく聞くが,死海の隣には何があるかは知られていない.道路を挟んだ反対側は高い山(と言うか地平)を越えて続く砂漠地帯.
そんな砂漠の一角にある,周囲から隔離された孤高の要塞.それがマサダ.
参考記事:マサダーユダヤ戦争最後の砦
死海で浮く話はよく聞くが,死海の隣には何があるかは知られていない.道路を挟んだ反対側は高い山(と言うか地平)を越えて続く砂漠地帯.
そんな砂漠の一角にある,周囲から隔離された孤高の要塞.それがマサダ.
参考記事:マサダーユダヤ戦争最後の砦
前回行ったツアーが良かったとのことで,同じガイドに頼んで企画されたのが今回のツアー,ガイド付きの車に6人で乗って日曜日に死海とマサダへ行ってきた.
集合は朝7時半.VIP Limo-services と書かれた車がやってきた.車には運転手とガイドを除いても11人が乗れるが,今回は日本人3人,フィリピン人3人の計6人で使用.費用は人数に依存しないから人数が多い方が割安となる.(1日$650)
テルアビブを出ると高速1号線に入り,まっすぐにエルサレム方面へ向かう.ひたすら1号線を進んだ後南北に走る90号線に入るとまもなく死海の北端にたどり着く.高速の途中でいくつか検問があるが,それがヨルダン川西岸地区(west bank)の境界(boundary)だったと知ったのは後の話...
周囲の風景は,テルアビブ付近は農地が広がり,山岳エリアにはいると針葉樹の森も両側に現れる.エルサレムを越えたくらいまで来ると岩が混じる茶色の斜面に木が植えられた中東のイメージに近い風景となる.
山岳地帯を越えると完全な砂漠に入る.道路の両側に掘っ立て小屋がいくつか見え(ベドウィンの住居だそうだ),走っている羊の群れやラクダも見かけた.
最初のイベントはSEA LEVELポイント.エルサレムの東側は山岳地帯.それに対して死海は海抜 -417m.その途中にあるのがSEA LEVELポイント.周囲は砂漠と高速道路だけで何もないのだが,0m というそれだけの理由で妙に観光地になっている.
10NIS払ってラクダに乗った写真を撮った後は車でさらに下ってゆく.道路沿いに海抜を示すラインが作られており,-250m 位までは急な下り坂だが,それ以降はなだらかになる.10分ほど車で走り,かつて死海の北端だった廃墟で停車.そこはかつて死海のほとりのSPAだった場所.現在のヨルダン国王の祖父が休養しに訪れた場所だという.その隣には工場跡.死海の水位が下がり海面が遠のいた結果,放棄されたのがその2つの施設である.そこからはフェンスに囲まれたヨルダン国境が見える.(YouTubeのBBC World Newsのレポートも参照)
よく知られている事実かとは思うが,死海について簡単におさらいしておこう.
死海は2つのプレートが離れていく境界に位置しており,流れ込む水が蒸発することで塩分濃度が海水の10倍を超える33%にもなっている.また,標高は-417mと水面下に位置し,ヨルダン・イスラエルの双方が山に囲まれた(海面を基準とすれば普通の高さ)形となっている.
近年では上流での水利用や死海周辺での観光施設での水利用により流入量が減少している上に,死海の水からミネラルを取り出す工場があるために年間0.7mのペースで水面が低下している.
ここでは死海の成り立ちと現状について壁の絵をみながらガイドさんの説明を受けた.そしてもう一点「drink, drink, drink」との注意を受けた.水分を補充していないと危険とのこと.今回は泳いでない自分でも1L位は飲んだと思う.
説明を聞いたら90号線をひたすら南下する.10時半頃に車はVisitor Centerで停車.駐車場には大型バスが3台ほど既に止まっている.ここにはトイレ,売店,そしてAHAVAの直営店がある.AHAVAは死海のミネラルを利用した化粧品のブランド.商品は30~40%引きで,2つ買ったら1つおまけ(つまり3個買うと33%引き),3つ買ったら3つおまけ(6つ買うと半額)と表示方法が何ともアメリカ的.売り場の中はバスで来た観光客でごった返していた.
ここでAHAVAの紹介ビデオを見せられた.日本でもよくある,旅行ツアーのコースに何故かおみやげ屋が組み込まれているというアレだとは思う.化粧品には興味が無いので結局買わずに来たが,「AHAVA使ってみたい!」という人がいれば次に行く人に商品を指定してお願いすることは出来るかもしれない.
ちなみに最後に訪れたマサダのおみやげコーナーにも同じ商品が置かれていたので,購入のチャンスはここが最後というわけではない.
死海の周囲には一部畑らしき場所もある.死海の中でも実際に泳げる場所は観光地として決まった場所のみ.そこは国道と湖が少し離れており,湖側の側道へ入った先に駐車場がある.大人の入場料は50NISだが,今回はガイドの顔?で半額に割り引いてくれた.
園内の入り口付近には売店があり,帽子,水着,食べ物,飲み物なども買うことが出来る.実際に泳げる場所はかなり狭い.湾になった遊泳場所,海岸に塩が析出している場所,泥が詰まった場所などが所狭しと並んでいる.
また,入り口付近には死海の水を利用した温泉風の小屋と,その隣には子供用の淡水プールも用意されている.
普通の人は湖に入ってぷかぷか浮かぶのを楽しみ,体に泥を塗ってまた楽しむのだが,自分は泳ぐのがあまり隙ではないので日焼けしないように上着を着てみんなの写真を撮っていた.水や泥にさわってしまうと機械には手を触れられないのだ.
両手両足を水面に出して浮かぶ姿はいかにも死海という感じだが,あとで聞いてみると遊泳ゾーンはかなりの遠浅で,両手両足を出したときにお尻が付いてしまいそうなほどだそうだ.これを知ると写真もなんとなくインチキくさく見える.
死海の水に温度計を漬けて出し,少し経つと温度計の表面に塩が付いてざらざらになってくる.しかも,水に手を入れたとたん「イタタ!」と来たので見たら,指に微少な傷が付いていた.水道のところで手を洗わせてもらって一件落着.
遊泳場を出たらまたもひたすら南下してマサダへ向かう.マサダは死海の北側の南端にあり,最初に北端の遺構に立ち寄ったときから考えれば死海の北半分をまるまるたどったことになる.
マサダ自身は孤高の要塞だが,隣の山の麓に駐車場を含むセンターがある.我々はそこで車を止め,チケット売り場へ向かった.建物からマサダまではロープウェーがある.それとは別に登山道(snake path)も造られている.チケットは往復が61NIS, 片道(帰りが歩き)が45NIS,往復徒歩が23NIS.エッフェル塔と比べると往復徒歩の料金が高い.
2階で軽食を取ってからいざ出発.ロープウェー乗り場の手前でMASADAの歴史を簡単に解説してくれる7分程度のビデオを見てからいざ乗り場へ.ロープウェーの運行間隔が思ったより広い.食事が終わって集まってからロープウェーに乗るまで20分程度時間があった.
午後4時のロープウェーでマサダ本体へ到着.帰りの最終ロープウェーが午後5時とのことで,ここからはガイド主導でマサダの構造を駆け足で見ていくことになる.
最初に説明を受け,また最も印象に残ったのは水の話.孤高の要塞では水を得る手段がない.そこで要塞には水を引き込んで溜めておく大きな空洞が12個ある.また,向かいに見える丘に降った雨をすべて自らの水瓶に引き込む水路も設けられており,一回でも雨が降ればすべての水瓶を満たすことが出来るしくみであった.ローマ軍が攻めてきたときも水が蓄えられていたマサダでは2年も持ちこたえることが出来たのだ.
この後次々と,食料庫,風呂,王の部屋,ローマ軍が乗り込んだ場所などを次々と周り解説が終わったときは既にロープウェー出発の15分前.他の観光客が去った後のマサダで写真を撮りながら乗り場へ戻る.マサダから見える死海も素晴らしく.この風景だけでもここに来る価値があると思えるほどだ.
マサダの入場口付近には冷水の入ったタンクが置かれているので,入れ物さえ持っていれば水が無くて死にそうになることはないだろう.
ロープウェーで駐車場に戻り,土産物売り場をちょっとうろうろした後は帰路につく.途中死海の北端での小休憩をはさみ,ホテルに戻ったのは夜8時過ぎであった.
7:30 テルアビブ発
9:00-9:25 SEA LEVEL
9:40-10:00 死海北端
10:30-11:45 Visitor Center (AHAVA)
12:15-14:15 死海
14:55-17:25 マサダ(軽食含む) 遺跡は16:00-17:00
18:22-18:40 休憩
20:12 テルアビブ着
翌日みんなの写真を集めたが,みんなたくさん撮影していてまだ整理が完全には出来ていない.もらった中に死海でのムフフな写真(掲載自粛)がたくさん入っていたのは笑った...
集合は朝7時半.VIP Limo-services と書かれた車がやってきた.車には運転手とガイドを除いても11人が乗れるが,今回は日本人3人,フィリピン人3人の計6人で使用.費用は人数に依存しないから人数が多い方が割安となる.(1日$650)
テルアビブを出ると高速1号線に入り,まっすぐにエルサレム方面へ向かう.ひたすら1号線を進んだ後南北に走る90号線に入るとまもなく死海の北端にたどり着く.高速の途中でいくつか検問があるが,それがヨルダン川西岸地区(west bank)の境界(boundary)だったと知ったのは後の話...
周囲の風景は,テルアビブ付近は農地が広がり,山岳エリアにはいると針葉樹の森も両側に現れる.エルサレムを越えたくらいまで来ると岩が混じる茶色の斜面に木が植えられた中東のイメージに近い風景となる.
山岳地帯を越えると完全な砂漠に入る.道路の両側に掘っ立て小屋がいくつか見え(ベドウィンの住居だそうだ),走っている羊の群れやラクダも見かけた.
SEA LEVEL
最初のイベントはSEA LEVELポイント.エルサレムの東側は山岳地帯.それに対して死海は海抜 -417m.その途中にあるのがSEA LEVELポイント.周囲は砂漠と高速道路だけで何もないのだが,0m というそれだけの理由で妙に観光地になっている.
10NIS払ってラクダに乗った写真を撮った後は車でさらに下ってゆく.道路沿いに海抜を示すラインが作られており,-250m 位までは急な下り坂だが,それ以降はなだらかになる.10分ほど車で走り,かつて死海の北端だった廃墟で停車.そこはかつて死海のほとりのSPAだった場所.現在のヨルダン国王の祖父が休養しに訪れた場所だという.その隣には工場跡.死海の水位が下がり海面が遠のいた結果,放棄されたのがその2つの施設である.そこからはフェンスに囲まれたヨルダン国境が見える.(YouTubeのBBC World Newsのレポートも参照)
よく知られている事実かとは思うが,死海について簡単におさらいしておこう.
死海は2つのプレートが離れていく境界に位置しており,流れ込む水が蒸発することで塩分濃度が海水の10倍を超える33%にもなっている.また,標高は-417mと水面下に位置し,ヨルダン・イスラエルの双方が山に囲まれた(海面を基準とすれば普通の高さ)形となっている.
近年では上流での水利用や死海周辺での観光施設での水利用により流入量が減少している上に,死海の水からミネラルを取り出す工場があるために年間0.7mのペースで水面が低下している.
ここでは死海の成り立ちと現状について壁の絵をみながらガイドさんの説明を受けた.そしてもう一点「drink, drink, drink」との注意を受けた.水分を補充していないと危険とのこと.今回は泳いでない自分でも1L位は飲んだと思う.
AHAVA
説明を聞いたら90号線をひたすら南下する.10時半頃に車はVisitor Centerで停車.駐車場には大型バスが3台ほど既に止まっている.ここにはトイレ,売店,そしてAHAVAの直営店がある.AHAVAは死海のミネラルを利用した化粧品のブランド.商品は30~40%引きで,2つ買ったら1つおまけ(つまり3個買うと33%引き),3つ買ったら3つおまけ(6つ買うと半額)と表示方法が何ともアメリカ的.売り場の中はバスで来た観光客でごった返していた.
ここでAHAVAの紹介ビデオを見せられた.日本でもよくある,旅行ツアーのコースに何故かおみやげ屋が組み込まれているというアレだとは思う.化粧品には興味が無いので結局買わずに来たが,「AHAVA使ってみたい!」という人がいれば次に行く人に商品を指定してお願いすることは出来るかもしれない.
ちなみに最後に訪れたマサダのおみやげコーナーにも同じ商品が置かれていたので,購入のチャンスはここが最後というわけではない.
死海の遊泳ゾーン
死海の周囲には一部畑らしき場所もある.死海の中でも実際に泳げる場所は観光地として決まった場所のみ.そこは国道と湖が少し離れており,湖側の側道へ入った先に駐車場がある.大人の入場料は50NISだが,今回はガイドの顔?で半額に割り引いてくれた.
園内の入り口付近には売店があり,帽子,水着,食べ物,飲み物なども買うことが出来る.実際に泳げる場所はかなり狭い.湾になった遊泳場所,海岸に塩が析出している場所,泥が詰まった場所などが所狭しと並んでいる.
また,入り口付近には死海の水を利用した温泉風の小屋と,その隣には子供用の淡水プールも用意されている.
普通の人は湖に入ってぷかぷか浮かぶのを楽しみ,体に泥を塗ってまた楽しむのだが,自分は泳ぐのがあまり隙ではないので日焼けしないように上着を着てみんなの写真を撮っていた.水や泥にさわってしまうと機械には手を触れられないのだ.
両手両足を水面に出して浮かぶ姿はいかにも死海という感じだが,あとで聞いてみると遊泳ゾーンはかなりの遠浅で,両手両足を出したときにお尻が付いてしまいそうなほどだそうだ.これを知ると写真もなんとなくインチキくさく見える.
死海の水に温度計を漬けて出し,少し経つと温度計の表面に塩が付いてざらざらになってくる.しかも,水に手を入れたとたん「イタタ!」と来たので見たら,指に微少な傷が付いていた.水道のところで手を洗わせてもらって一件落着.
マサダ
遊泳場を出たらまたもひたすら南下してマサダへ向かう.マサダは死海の北側の南端にあり,最初に北端の遺構に立ち寄ったときから考えれば死海の北半分をまるまるたどったことになる.
マサダ自身は孤高の要塞だが,隣の山の麓に駐車場を含むセンターがある.我々はそこで車を止め,チケット売り場へ向かった.建物からマサダまではロープウェーがある.それとは別に登山道(snake path)も造られている.チケットは往復が61NIS, 片道(帰りが歩き)が45NIS,往復徒歩が23NIS.エッフェル塔と比べると往復徒歩の料金が高い.
2階で軽食を取ってからいざ出発.ロープウェー乗り場の手前でMASADAの歴史を簡単に解説してくれる7分程度のビデオを見てからいざ乗り場へ.ロープウェーの運行間隔が思ったより広い.食事が終わって集まってからロープウェーに乗るまで20分程度時間があった.
午後4時のロープウェーでマサダ本体へ到着.帰りの最終ロープウェーが午後5時とのことで,ここからはガイド主導でマサダの構造を駆け足で見ていくことになる.
最初に説明を受け,また最も印象に残ったのは水の話.孤高の要塞では水を得る手段がない.そこで要塞には水を引き込んで溜めておく大きな空洞が12個ある.また,向かいに見える丘に降った雨をすべて自らの水瓶に引き込む水路も設けられており,一回でも雨が降ればすべての水瓶を満たすことが出来るしくみであった.ローマ軍が攻めてきたときも水が蓄えられていたマサダでは2年も持ちこたえることが出来たのだ.
この後次々と,食料庫,風呂,王の部屋,ローマ軍が乗り込んだ場所などを次々と周り解説が終わったときは既にロープウェー出発の15分前.他の観光客が去った後のマサダで写真を撮りながら乗り場へ戻る.マサダから見える死海も素晴らしく.この風景だけでもここに来る価値があると思えるほどだ.
マサダの入場口付近には冷水の入ったタンクが置かれているので,入れ物さえ持っていれば水が無くて死にそうになることはないだろう.
ロープウェーで駐車場に戻り,土産物売り場をちょっとうろうろした後は帰路につく.途中死海の北端での小休憩をはさみ,ホテルに戻ったのは夜8時過ぎであった.
[参考]タイムチャート
7:30 テルアビブ発
9:00-9:25 SEA LEVEL
9:40-10:00 死海北端
10:30-11:45 Visitor Center (AHAVA)
12:15-14:15 死海
14:55-17:25 マサダ(軽食含む) 遺跡は16:00-17:00
18:22-18:40 休憩
20:12 テルアビブ着
翌日みんなの写真を集めたが,みんなたくさん撮影していてまだ整理が完全には出来ていない.もらった中に死海でのムフフな写真(掲載自粛)がたくさん入っていたのは笑った...
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