「金儲けがすべてでいいのか」
2007.10.24 Wednesday 21:27
ノーム チョムスキー 「金儲けがすべてでいいのか」(文藝春秋) [原題: Profit Over People - Neoliberalizm and Global Order] を読んだ.
アメリカが自分たちに都合のいい「民主主義」の名の下にラテンアメリカの大多数を貧困に追いやったこと,そしてそれが「自由」競争などではなく資本がアメリカ政府を味方につけたことによるものであったことなどを挙げ,アメリカの掲げる新自由主義が大資本に有利で多くの人々を貧困に追いやる不公平なものと筆者は主張する.
第一章の末尾にある次の言葉にすべてが集約されていると言ってもよいだろう.
アメリカが自分たちに都合のいい「民主主義」の名の下にラテンアメリカの大多数を貧困に追いやったこと,そしてそれが「自由」競争などではなく資本がアメリカ政府を味方につけたことによるものであったことなどを挙げ,アメリカの掲げる新自由主義が大資本に有利で多くの人々を貧困に追いやる不公平なものと筆者は主張する.
第一章の末尾にある次の言葉にすべてが集約されていると言ってもよいだろう.
特定の国々に何が「正しい」かをあたかも各国が共通の利害と価値観を持つ存在であるかのように問うのはほとんど意味がない
この本はラテンアメリカおよび南アフリカでの刊行された筆者(ノーム・チョムスキー)の論文をまとめたものである.以下は概略(全然まとまってないけど).
イギリスで産業革命の起こった18世紀以降に西ヨーロッパ以外で発展した国として米国と日本,それに韓国を付け加え,その要因が保護主義にあったと主張する.たとえばインドの産業がイギリスによって破壊されたのとは対照的にアメリカは英国からの安価な衣料品に関税障壁を設けた.
また,自由主義を標榜する英国,米国であってもその実態は「都合のよい」自由主義であって,相手国には自由貿易を迫りつつも自国の産業が危機にさらされると保護主義に転換する.米国では「安全保障」という名の補助金を企業に渡していると言える.
グローバリゼーションの名の下にアメリカがメキシコ(NAFTA),ブラジル,ハイチなどに行った政策が産業や食糧自給を破壊して多くの貧困を引き起こした.NAFTAにおいてはメキシコの安い労働力を背景にアメリカ国内の工場でも労働組合の破壊やメキシコへの工場移転が行われた.
大資本は国民が本当に主体的に判断することを望んでいない.アメリカ経済の力が及ばない第三世界において,資本主義を受け入れない政府を転覆するためにテロや軍隊に手を回すことも行ってきた.
キューバは貧しい世界の国々に述べ五万人以上もの医療援助を無償で行ってきた.キューバ人にとって「国際サービス」は政治的成熟の証であり学校では最高の価値だと教えられている.
イギリスで産業革命の起こった18世紀以降に西ヨーロッパ以外で発展した国として米国と日本,それに韓国を付け加え,その要因が保護主義にあったと主張する.たとえばインドの産業がイギリスによって破壊されたのとは対照的にアメリカは英国からの安価な衣料品に関税障壁を設けた.
また,自由主義を標榜する英国,米国であってもその実態は「都合のよい」自由主義であって,相手国には自由貿易を迫りつつも自国の産業が危機にさらされると保護主義に転換する.米国では「安全保障」という名の補助金を企業に渡していると言える.
グローバリゼーションの名の下にアメリカがメキシコ(NAFTA),ブラジル,ハイチなどに行った政策が産業や食糧自給を破壊して多くの貧困を引き起こした.NAFTAにおいてはメキシコの安い労働力を背景にアメリカ国内の工場でも労働組合の破壊やメキシコへの工場移転が行われた.
大資本は国民が本当に主体的に判断することを望んでいない.アメリカ経済の力が及ばない第三世界において,資本主義を受け入れない政府を転覆するためにテロや軍隊に手を回すことも行ってきた.
キューバは貧しい世界の国々に述べ五万人以上もの医療援助を無償で行ってきた.キューバ人にとって「国際サービス」は政治的成熟の証であり学校では最高の価値だと教えられている.
Comments