少子化でおこる大変なことって?
2008.01.30 Wednesday 20:13
日本は出生率の低下により人口が減少し,高齢化社会へ向かっている.年金問題において「二人で一人のお年寄りを支えなくてはならない」とか言われるが,この場合の「支える」の意味を誤解していたのではないかとふと思った.
感覚的に四人で一人を支えていたのが二人で一人を支えなくてはならないと言われると年金負担が二倍になると考えがちだが,率としては二倍になっても額としては二倍にならないのではないか,と思ったのだ.
老人(労働しない人),若者(労働者),企業を考え,簡単のために若者はすべて企業で働いているとする.消費の量が一定であれば老人と若者が消費した分は企業に支払われ,それが若者に回ってくる.若者が減少すれば若者の取り分が相対的に増える.極端な話,所得が2倍になれば負担率が2倍になっても手元に残る額は増えて...いないか.というか所得が2倍になれば負担率が同じでも額面で2倍高齢者に渡されるのだから率を上げる必要はないはず.
[訂正(2008.01.31)]
国民年金: 所得に関わらず定額→少子化で財源が不足する
なんだ,そんなに悲観的にならなくてもいいんだ.とは問屋がおろさない.上のモデルで抜けている点がある.企業の利潤は労働者と株主に分配されるのだ.そして年金は労働者だけが負担している.つまり労働分配率が下がって株主への配当性向が強まると少子化とは無関係に年金負担は重くなる.
ということは,最近の年金見直しは少子化ではなく労働分配率低下による物なの? 株主が全員老人だったら若者はものすごくヤバイ.株主が全員若者だったら一応イーブン.というか,年金システム自体お金が株主に流れることを想定していない気がする.
ここまでは閉じた世界で考えてみたが,実際には外国との貿易がある.企業は商品を外国にも売り,消費者は外国からも商品を買う.原理的には貿易黒字なら円高.貿易赤字なら円安になるはずなので,日本が少子化のために魅力ある商品を作れずに外国から何でも買わなくてはいけなくなったらどんどん円安になって日本は何も買えなくなる.
もう一つ,実需の貿易以外に投資資金の動きがある.上の例で株主が全員老人だったらヤバイと書いたが,老人が株の配当をすべて消費すればトータルではまだ救われている.しかし,株の配当がすべて外国に行ってしまったらもっとヤバイかもしれない.まあ,外国と言っても年金基金とかもあるので...ってことは外国の老人を支えているわけだ.そうなったら日本人二人で日本の高齢者一人+外国の高齢者を支えていることになってマジ厳しそう.逆に言えば,外国企業の株を保有すればその企業のある国の若者に支えてもらえるとも言える.
以上はお金の話.しかし,お金以外でも問題はありそうだ.まず消費が一定と仮定したが高齢者が増えると消費が変化するか?が問題になる.消費が減少すると物が余る.ここで,消費が減少してなおかつ高齢者が年金から貯蓄している場合は本当にデフレになり,若者は苦しくなる.年金から貯蓄するということは配りすぎなのだから,年金は3年以上繰り越し不可,使わなかった分は返却,とかね.
逆に消費が増加した場合.こちらは好景気になってめでたしめでたしと思うかもしれないが,労働集約的なものが求められている場合に十分なサービスが供給できなくなる恐れがある.どんなにお金を積まれてもやりたくない,あるいは物理的に不可能となればサービスにあずかれない不幸な人が出てしまう.
あ,でも現在でも建前は移民は受け入れてないと言ってもなんだかんだと外国人が日本で働いてるから,足りなくなったら建前は変えずにまた抜け道増やすだけなのかも.
何らかのイノベーションがあって少ない人数でも多くの人々に財やサービスを提供できるのであれば問題ない.
* 労働者は国内外の株をゲットして資本家になろう
* 人数が少なくても輸出できる魅力的な財を作る力が必要だ
* 人手に頼る仕事から人間を解放できるよう,ロボットなり機械なりを現在の世代が開発して次の世代に残すことが必要
うーん,これであってるのかなぁ.
老人(労働しない人),若者(労働者),企業を考え,簡単のために若者はすべて企業で働いているとする.消費の量が一定であれば老人と若者が消費した分は企業に支払われ,それが若者に回ってくる.若者が減少すれば若者の取り分が相対的に増える.
[訂正(2008.01.31)]
国民年金: 所得に関わらず定額→少子化で財源が不足する
なんだ,そんなに悲観的にならなくてもいいんだ.とは問屋がおろさない.上のモデルで抜けている点がある.企業の利潤は労働者と株主に分配されるのだ.そして年金は労働者だけが負担している.つまり労働分配率が下がって株主への配当性向が強まると少子化とは無関係に年金負担は重くなる.
ということは,最近の年金見直しは少子化ではなく労働分配率低下による物なの? 株主が全員老人だったら若者はものすごくヤバイ.株主が全員若者だったら一応イーブン.というか,年金システム自体お金が株主に流れることを想定していない気がする.
ここまでは閉じた世界で考えてみたが,実際には外国との貿易がある.企業は商品を外国にも売り,消費者は外国からも商品を買う.原理的には貿易黒字なら円高.貿易赤字なら円安になるはずなので,日本が少子化のために魅力ある商品を作れずに外国から何でも買わなくてはいけなくなったらどんどん円安になって日本は何も買えなくなる.
もう一つ,実需の貿易以外に投資資金の動きがある.上の例で株主が全員老人だったらヤバイと書いたが,老人が株の配当をすべて消費すればトータルではまだ救われている.しかし,株の配当がすべて外国に行ってしまったらもっとヤバイかもしれない.まあ,外国と言っても年金基金とかもあるので...ってことは外国の老人を支えているわけだ.そうなったら日本人二人で日本の高齢者一人+外国の高齢者を支えていることになってマジ厳しそう.逆に言えば,外国企業の株を保有すればその企業のある国の若者に支えてもらえるとも言える.
以上はお金の話.しかし,お金以外でも問題はありそうだ.まず消費が一定と仮定したが高齢者が増えると消費が変化するか?が問題になる.消費が減少すると物が余る.ここで,消費が減少してなおかつ高齢者が年金から貯蓄している場合は本当にデフレになり,若者は苦しくなる.年金から貯蓄するということは配りすぎなのだから,年金は3年以上繰り越し不可,使わなかった分は返却,とかね.
逆に消費が増加した場合.こちらは好景気になってめでたしめでたしと思うかもしれないが,労働集約的なものが求められている場合に十分なサービスが供給できなくなる恐れがある.どんなにお金を積まれてもやりたくない,あるいは物理的に不可能となればサービスにあずかれない不幸な人が出てしまう.
あ,でも現在でも建前は移民は受け入れてないと言ってもなんだかんだと外国人が日本で働いてるから,足りなくなったら建前は変えずにまた抜け道増やすだけなのかも.
何らかのイノベーションがあって少ない人数でも多くの人々に財やサービスを提供できるのであれば問題ない.
結論
* 労働者は国内外の株をゲットして資本家になろう
* 人数が少なくても輸出できる魅力的な財を作る力が必要だ
* 人手に頼る仕事から人間を解放できるよう,ロボットなり機械なりを現在の世代が開発して次の世代に残すことが必要
うーん,これであってるのかなぁ.
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