HOME project
2009.06.07 Sunday 01:26
Homeという映画がYou Tubeにて14日まで公開されている.
Home - A film by Yann Arthus-Bertrand
地球の生い立ちから現在人類が直面している危機を映像としてわかりやすく見せた映画だ.
映画自体は英語だが,Closed Caption(右下のCCボタン)で,Translate BETA を選ぶことで不完全ながら他の言語の字幕も出すことができる.
Home - A film by Yann Arthus-Bertrand
地球の生い立ちから現在人類が直面している危機を映像としてわかりやすく見せた映画だ.
映画自体は英語だが,Closed Caption(右下のCCボタン)で,Translate BETA を選ぶことで不完全ながら他の言語の字幕も出すことができる.
内容は,まず地球の生い立ちをたどるところから始まって,現在直面している様々な危機の話に入る.
危機としては
- 水の不足
- 石油への依存
- 温暖化と海面上昇
等が取り上げられている.
これを見て,先日読んだ『本質を見抜く力 - 環境・食料・エネルギー』に書かれていたことを思い出した.
1つめは化石水(fossil water).日本の水は山に降った雨が土にしみこんだり川を流れたりして海に注ぐという循環の中から水を使っているのだが,大陸には昔の地層に閉じこめられた水というのがある.それをくみ上げて,センターピボットの農地で農業を行っている.この水は補充されないから使い切ったらおしまい.HOMEの中でも,サウジアラビアで放棄された農地を空撮した映像が出てきている.
2つめは昆虫の話.HOMEの中でアマゾンの熱帯雨林が20%減少している事例が映像とともに出てきている.現在ブラジルで熱帯雨林を切り開いて大豆や紙パルプの原料を栽培するようになってきている.紙パルプの方は一見植物を栽培しているのだが,他の植物は(当然なのだが)そこで育つことができない.
これと昆虫がどう関係するかというと熱帯雨林は木が生い茂っているだけではないということ.『本質を見抜く力』の中で養老先生が富士の樹海について,樹海はたった1200年しか経っていないから昆虫が貧相であると述べている.人間は森を木がたくさんある場所としか見えないかもしれないが,森にとって木というのは最低条件でしかない.
こう考えるとアマゾンを切り開くことの問題がCO2だけにはとどまらないということになる.
HOMEの中で,先進国では巨大なトラクターが収穫を行っている映像と発展途上国でほとんど道具もないままに地面を掘り返して作物を育てている映像が出てくる.たしかに前者は効率的で後者は非効率的だ.しかしそれは『石油が容易に手に入る』という条件下においてのみ正しいことを理解しておく必要があると思う.『絵とき地球環境を土からみると』によれば,人力のみに頼る農業では投下エネルギーの12倍の収穫を得られるのに対し,家畜,機械と高度な技術を投入するほどその差は縮まっていくとある.
石油が無くなる前に自動車は全部電気自動車になって,電気も化石燃料を使わずに発電するようになると(楽観的に)考えた場合,こういった農業機械の動力も当然変わっていく必要があるのだろうなと思った.
危機としては
- 水の不足
- 石油への依存
- 温暖化と海面上昇
等が取り上げられている.
これを見て,先日読んだ『本質を見抜く力 - 環境・食料・エネルギー』に書かれていたことを思い出した.
1つめは化石水(fossil water).日本の水は山に降った雨が土にしみこんだり川を流れたりして海に注ぐという循環の中から水を使っているのだが,大陸には昔の地層に閉じこめられた水というのがある.それをくみ上げて,センターピボットの農地で農業を行っている.この水は補充されないから使い切ったらおしまい.HOMEの中でも,サウジアラビアで放棄された農地を空撮した映像が出てきている.
2つめは昆虫の話.HOMEの中でアマゾンの熱帯雨林が20%減少している事例が映像とともに出てきている.現在ブラジルで熱帯雨林を切り開いて大豆や紙パルプの原料を栽培するようになってきている.紙パルプの方は一見植物を栽培しているのだが,他の植物は(当然なのだが)そこで育つことができない.
これと昆虫がどう関係するかというと熱帯雨林は木が生い茂っているだけではないということ.『本質を見抜く力』の中で養老先生が富士の樹海について,樹海はたった1200年しか経っていないから昆虫が貧相であると述べている.人間は森を木がたくさんある場所としか見えないかもしれないが,森にとって木というのは最低条件でしかない.
こう考えるとアマゾンを切り開くことの問題がCO2だけにはとどまらないということになる.
HOMEの中で,先進国では巨大なトラクターが収穫を行っている映像と発展途上国でほとんど道具もないままに地面を掘り返して作物を育てている映像が出てくる.たしかに前者は効率的で後者は非効率的だ.しかしそれは『石油が容易に手に入る』という条件下においてのみ正しいことを理解しておく必要があると思う.『絵とき地球環境を土からみると』によれば,人力のみに頼る農業では投下エネルギーの12倍の収穫を得られるのに対し,家畜,機械と高度な技術を投入するほどその差は縮まっていくとある.
石油が無くなる前に自動車は全部電気自動車になって,電気も化石燃料を使わずに発電するようになると(楽観的に)考えた場合,こういった農業機械の動力も当然変わっていく必要があるのだろうなと思った.
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