チェンバー・フィルハーモニック東京 第12回演奏会
2013.02.03 Sunday 20:58
チェンバー・フィルハーモニック東京の第12回演奏会に行ってきた.今回は第3回のオマージュとのことであり,曲目によって演奏者が大きく入れ替わったり,弦楽器の普通じゃない演奏法があったりと,確かに第3回を思い起こさせる構成となっていた.
演奏会は渋谷区総合文化センター大和田のさくらホールにて行われた.座った席は前から8列目の中央,出演者の椅子より少しだけ低い位置にあたる.これは,入場に先立って最上階にあるプラネタリウムのチケットを買いに行ったり,トイレに寄ったりしており,ホールに入ったときは既に中央部分には人が埋まっていたことによるのだが,舞台の様子をほぼ正面から見ることができるという意味では割りと面白い場所だったと思っている.
最初の曲はロッシーニ『歌劇 絹のはしご 序曲』.最初の曲にふさわしい,楽しんで聴ける曲だった.
それが終わると,次はリヒャル・シュトラウス『13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 op.07』.名前にある通り,演奏者は管楽器13人のみ.全員が一旦退席した後に椅子を並べ直して演奏する13人が入ってきた.13名は指揮者のすぐ前に指揮者を囲むように半円形に座った.
第3回にアイブズ『答えのない質問』という演目があり,そのときはフルートが指揮者のすぐ前に同じように半円形に座り,トランペットが最後方の角に立っていた.今回の配置はそのフルートを思い起こさせるものであった.また,それによって管楽器の演奏の様子を近くで見られるという点も良かったと思う.普段は舞台前方に弦楽器が,後方に管楽器が位置しており,特に今回は低い位置に座ったので後ろの様子が見えなかったからだ.
続いては芥川也寸志『減額のためのトリプティーク』.今度は管楽器が去り,弦楽器が席につく.
こちらは第2楽章で"knock the body(とプログラム説明にある)",つまり弓で弦楽器の本体を叩く部分がある.第3回に演奏された『ブルスキーノ氏序曲』では弓で譜面台を叩くところがあったが,それを思い起こさせる手法だ.第3回のときにはかなり奇抜な曲を集めたものだと思ったが,まだまだ面白い曲があるものだと感心した.
ちなみに曲としては勢いのある第1楽章で始まり,説明にはロシア的な作風と書かれていたが,自分にはなんとなく「和」の雰囲気も感じられた.
その後は,アーロン・コープランド『静かな都市』.後方から響くトランペットの音もまた,アイブズ『答えのない質問』を思い起こさせるものであった.
前半の最後はジョン・ケージの『4'33"』.有名な休符のみの曲だが,演奏を聞くのは初めてである.
舞台に全ての楽器の演奏者が入場してきた後,指揮者が指揮台に立った.指揮を始めるのかとおもいきやずっと立ったままである.だから,開始のタイミングも拍子もわからない.そして,この曲の目的通り観客席のかすかな音が会場に響きはじめた.時計の音,椅子を座り直す音,鼻をすする音が聞こえ,そして鉛筆を紙に走らす自分の音もそのうちの1つであっただろう.観客が主役の究極とも言える曲であるが,コンサートホールでなければ成立しないであろう.演奏者が舞台に座っているので,そっちからなにか音が聞こえるかとちょっと期待したが,それはなかった.
休憩を挟んだ後半はモーツァルト『交響曲25番ト短調 K.183』.曲が始まったらどこかで聞いたことがある曲であることがわかった.
その後,ヴァーグナーの『ジークフリート牧歌』.実はもう結構疲れていたためか,この曲が結構長く感じられた.そして,アンコール曲はなしで演奏会は終了.
自分としては,前半のインパクトが大きくてお腹いっぱいだったので,後半は考え事をしながら聞き流してしまった感がある.まあ仕方がない.演奏自体のQualityはいつもの通り高く,色々と楽しめたので,TCPサポーター・クラブ(一番下のもの)に申し込んだ.特典チケットを頂けるとのことなので,次回(第13回 6月7日 三鷹市文化芸術センター)も行こうと考えている.
第3回演奏会の様子はYouTubeにて公開されている.: http://tokyochamberphil.org/youtube/
最初の曲はロッシーニ『歌劇 絹のはしご 序曲』.最初の曲にふさわしい,楽しんで聴ける曲だった.
それが終わると,次はリヒャル・シュトラウス『13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 op.07』.名前にある通り,演奏者は管楽器13人のみ.全員が一旦退席した後に椅子を並べ直して演奏する13人が入ってきた.13名は指揮者のすぐ前に指揮者を囲むように半円形に座った.
第3回にアイブズ『答えのない質問』という演目があり,そのときはフルートが指揮者のすぐ前に同じように半円形に座り,トランペットが最後方の角に立っていた.今回の配置はそのフルートを思い起こさせるものであった.また,それによって管楽器の演奏の様子を近くで見られるという点も良かったと思う.普段は舞台前方に弦楽器が,後方に管楽器が位置しており,特に今回は低い位置に座ったので後ろの様子が見えなかったからだ.
続いては芥川也寸志『減額のためのトリプティーク』.今度は管楽器が去り,弦楽器が席につく.
こちらは第2楽章で"knock the body(とプログラム説明にある)",つまり弓で弦楽器の本体を叩く部分がある.第3回に演奏された『ブルスキーノ氏序曲』では弓で譜面台を叩くところがあったが,それを思い起こさせる手法だ.第3回のときにはかなり奇抜な曲を集めたものだと思ったが,まだまだ面白い曲があるものだと感心した.
ちなみに曲としては勢いのある第1楽章で始まり,説明にはロシア的な作風と書かれていたが,自分にはなんとなく「和」の雰囲気も感じられた.
その後は,アーロン・コープランド『静かな都市』.後方から響くトランペットの音もまた,アイブズ『答えのない質問』を思い起こさせるものであった.
前半の最後はジョン・ケージの『4'33"』.有名な休符のみの曲だが,演奏を聞くのは初めてである.
舞台に全ての楽器の演奏者が入場してきた後,指揮者が指揮台に立った.指揮を始めるのかとおもいきやずっと立ったままである.だから,開始のタイミングも拍子もわからない.そして,この曲の目的通り観客席のかすかな音が会場に響きはじめた.時計の音,椅子を座り直す音,鼻をすする音が聞こえ,そして鉛筆を紙に走らす自分の音もそのうちの1つであっただろう.観客が主役の究極とも言える曲であるが,コンサートホールでなければ成立しないであろう.演奏者が舞台に座っているので,そっちからなにか音が聞こえるかとちょっと期待したが,それはなかった.
休憩を挟んだ後半はモーツァルト『交響曲25番ト短調 K.183』.曲が始まったらどこかで聞いたことがある曲であることがわかった.
その後,ヴァーグナーの『ジークフリート牧歌』.実はもう結構疲れていたためか,この曲が結構長く感じられた.そして,アンコール曲はなしで演奏会は終了.
自分としては,前半のインパクトが大きくてお腹いっぱいだったので,後半は考え事をしながら聞き流してしまった感がある.まあ仕方がない.演奏自体のQualityはいつもの通り高く,色々と楽しめたので,TCPサポーター・クラブ(一番下のもの)に申し込んだ.特典チケットを頂けるとのことなので,次回(第13回 6月7日 三鷹市文化芸術センター)も行こうと考えている.
第3回演奏会の様子はYouTubeにて公開されている.: http://tokyochamberphil.org/youtube/
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