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「A Thousand Barrels a second」

石油 最後の1バレル」を読んだ.原題の「A Thousand Barrels a second」は1日の石油消費が8600万バレルを超える,つまり1秒間に1000バレルの石油が消費されているという現状を意味している.

この本はまず過去にあったエネルギー枯渇問題を振り返り,そこから得られる教訓と石油を囲む現状(2005年)のデータから,主にアメリカ国民を対象としてエネルギー消費増大への懸念を投げかけている.また,経済的な面から今後エネルギーを取り巻く環境ががどのようになるかを予測している.

エジソンの例を引き合いに出して,エネルギーの切り替えはすでに作り上げられたサプライチェーンの変更を伴うかどうかが重要なポイントになること,最初に手がけたものが必ずしもうまくやるとは限らないことなどエネルギービジネスの展開についてもふれている.

「安い」原油は無くなる.救世主は来ない.しかし我々は原油ではなく「石油製品」を使っている.その違いを認識すればまだ代替案はある.ただ,現状に不満を言うばかりでなく新たなサプライチェーンに向けて動き出すときがきている.
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